記憶の彼方になる前に

観ては忘れる観劇記録…

カサノバ〜

宝塚歌劇団 花組 / 祝祭喜歌劇『CASANOVA』
(東京 東京宝塚劇場)

 

稀代の色男を描いた「カサノバ」であります。

カサノバの仕事って要するに詐欺師なの⁇色男を武器に世を軽やかに渡る姿はフェアリー系ジェンヌ明日海りお真骨頂か?

一本物の意味がよくわからなかったんだけど、主演娘役・仙名彩世退団公演だからいいのか。

ゆきちゃんのお衣装がストーリーと合ってない気がしたけど…特に最期の真っ赤なお衣装とってもステキだけど意味がわからない…結婚式のお色直しに良さげだけど(だけど娘役の夢はいっぱい詰まってる)退団公演だからお衣装さんからの餞なのか。

芝居半分ショーシーン半分だから一本物と言ってもヘンな消化不良はなく、充分幸せになれる作品でした。

猫ちゃんズが可愛くも妖しくてよかった。

鳳月杏の女装の妖しい美しさを堪能し(衣装もベネチアの人とは思えない妖しさ)柚香光と夫婦設定に驚いたけど美しい主演、美しい助演があっての宝塚歌劇だからまあいいか〜と、思ったカサノバ話でした。

仙名彩世さん、ダルマ衣装に半纏着てたのがキョーレツな印象です。東北系娘役ゆきちゃん、お疲れ様でした。今後のご活躍をお祈りしています。

サクラチルチル…

「レビュー春のおどり」
ー春爛漫桐生祝祭/STORM of  APPLAUSEー

 OSK日本歌劇団(大阪 松竹座)

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もう5月だけど、とにかく今年の観劇記録は残したい…

(でもホントはあと3本観てる。これはいつになるのやら…)

 

サクラの咲く季節の「春のおどり」が終わりました。平成が終了、悠浦あやと退団、色々終わって2019サクラチル…

 

新橋演舞場で散々観たから松竹座は行かなくてもいいか〜?と思ったけど、やっぱり行ってよかった。

行ける元気がある時に、見られるチャンスがあるなら見ておかないと、きっと後悔する。

OSKに関しては後悔はなるべく減らしたいとしみじみ思うこの頃…

(あー「Dracula」見ておけばよかった…DVDで我慢するしかない…)

 

松竹座では「しらみ茶屋」は新橋よりわかりやすくテンポよくなり(愛瀬の踊りが減った?)でもこれ伝わってんのかな?ちょっと謎でした。

「道真」、楊さんの歌が追加され、宮廷の華やかさ増加。道真桐生対時平 楊の対決の場面は錦絵のよう…型がキマッテる。

(知り合いの迷言に「宝塚は絵巻物、OSKは錦絵」って言われたことがあって。この場面は確かにそうだなーと思った)

桐生麻耶ってカミナリが似合う…カミナリが似合う歌劇の人って他にいるんだろうか…栃木出身だからだろうか…(栃木県はカミナリが多い)

「 夏祭り」白い布がついた団扇?を持って、布がフワフワしてしなやかな生き物のようで楽しかった。

ああいうのはOSKお得意の群舞が生きるなぁ(特に変わりはないけど書いてみた)

「まさか”ねぷた”登場⁇」と心の中でひとり色めきたったがそれはありませんでした…

東北でも沖縄でもやっぱり民謡メドレーは景気良くっていいな!

「風の盆」は相変わらず切ない…踊り手の、客席から音もなくの登場に、ひとりでしびれておりました。なんてカッコいい。逆舞台降り…

すあたま、着流し、新入団員を迎えてのお祭りメドレーの賑やかなフィナーレは桐生さんの軽妙でふわっとした明日への希望、今のOSKを楽しんで!っていう心意気を感じていました。八木節、栃木の民謡じゃないけど景気いいよね!

(栃木は「日光和楽踊り」っていうのがあるけどねぇ…ちょっとした花笠音頭みたいなやつ…あれだとちょい地味か…)

さすがに大阪にぐんまちゃんは来なかったけど、新橋で誰かがOSKを応援しに来てくれるの、珍しかったから嬉しかったな〜。来年はとちまるくんとかさのまるくんとかこっとベリーとかもおかぴょんとかに期待。また誰か来てくれますように(歌劇団だから品良く…というのもあるけど、お祭りっぽいのが楽しいのだ)

2部の平澤智先生の初・演出作品は、正直あまり期待していなかったんだけど(先生の振り付け作品をあまり知らないので作風がわからなかった)

奇をてらうことなく、甘ったるくならずシンプルかつ緻密な構成がよかった。

序列は置いといて適材適所を考えてる公演だなと思いました。

トップスターの桐生さんが座長として真ん中に自然に立っている…そのフィット感?に毎回新鮮な驚きがありました。ある意味フレッシュ。

何回も書くけど、フィナーレの持ち物なし、大羽根無しが好きなので今回は好みでした。(スターの自己発光力で泣けるほど感動したいのだ)

 

しかし、レビューというのは「この世の別世界のゴージャスさ」を求める観客が多くいるはずなので、今後予算があれば羽とかフリルとか総スパンコールとかゴージャスお衣装が追加できますように!

 

いつも観劇した公演で「ワタクシテキベストパフォーマンス」の劇団員スチールを買うのですが、今回は壱矢ゆうにしました。

よく、椿りょうと対で踊っていて、いつかこの2人中心の場面が見てみたいなぁなんて思ったりして。(朔矢しゅうもプラスして3人口でもいいなぁ。妄想膨らむ)

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柚咲、凛華、琴海の娘役の華やかさ装備に目を見張りました。

上級生娘役は言わずもがな…桐生さんと誰が踊ってもトップ娘役に見えた〜

(すいません、大げさに言ってる…)

 

「春のおどり」私は特に劇団員全員出演にこだわりは無く、40名出演くらいがちょうどいいなぁと思ってます。

(近鉄の頃から全員は出演されていない感じですが?こういうものなのでしょうか?春のおどりは?)

40人くらいならなんとか出演者一人ひとりの判別がつくし、別公演とのバランスもあるけど、「今年は「春のおどり」出演だよ!」的なくらいの方が出演劇団員にストーリーを感じて見る方も気合が入る気がします。

 

新橋の初回は舞台の広さに「スキマ」を感じてしまったけれど(最終日までにはスキマはなくなった模様)、松竹座では舞台からエネルギーがはみださんばかりで、やっぱり広いところで公演するって大事だよなぁと思いました。

この少子化時代、若い子に見てもらって選んでもらわないと歌劇は続かない。東京で研修所の試験やるみたいだし、東京は大事だわ。

 

私の勝手な夢は〜

OSKの少人数公演と大劇場公演が交代で東京→大阪←東京→大阪ですよ。

名古屋、九州が入ったらなんにも言うことない。(好き勝手な事言ってますがあくまでも更年期おばさんの妄想だからお許しを…)

 

悠浦あやと退団は本当に残念…私も復帰の期待をしていた1人なんですが…

2017年「春のおどり2部 Stormy Weather」で歌っていた「Days of Wine and Roses」の歌の場面が一番好きでした。

完走するばかりがマラソンじゃない。途中で歩いたっていいわけなんで、OSKでみんなが惜しんでくれた愛を胸にしまって何かに向けて少しずつ進んでくれたらいいなぁと思っています。

(完全親目線)

 

フィナーレの娘役3人がスタンドマイクで歌う「goody goody」のリズムにノッて男役娘役がペアで踊るところみていたら「男役が増えからこれができるんだよな〜」などと感慨深くなっていた。ハリウッド映画のワンシーンのよう…

 

今年の「春のおどり」真麻も悠浦もいなかったけど、OSKはちゃんと公演でできた。

それを観て私は楽しかった。新しい発見もした。希望も見出した。

今年は京都四條南座もあるけど、また来年も「春のおどり」を観られることが決まり、劇団員の皆さんは次に向けて走り出しているわけで、今年の桜は散ったけど来年の桜を楽しみに生きて行こうっと(大げさ)

ワタクシ的春本番

    「春のおどり」OSK日本歌劇団

    (大阪  松竹座)  2019.4.13〜4.21

 

いつだったか、子どもの小学校の参観で、国語の授業で作文の発表があった。

その中で強く印象に残ってる一文

 

「ドキドキがムネムネしました」

 

まさに今はそんな心境ですこんばんは。

(多分「胸がドキドキしました」って言いたかったんだろうな…)

 

桜の季節の「春のおどり」ですよ。

以前、家族に「夏なのに春のおどり⁇」

なーんて突っ込まれた遠い日もあったが…

苦節数年、サクラの季節に「春のおどり」が観られる喜びを噛み締めてドキドキがムネムネしています。

 

「海神別荘」の配役も発表となり、

まさか美女は悠浦さん?なーんてことはなく、城月さんですよねぇ。

(千咲さんや実花さんがやったら幼女誘拐事件…)

登場人物のあまり多くない作品なので(松竹の歌舞伎シネマを観て勉強しました)、舞美さんはショーに専念でバランスを取るわけですね。

(舞美さんが女房というわけにもいかないよね…)

OSKにはOSKの「姫役者」がいると証明された気がします。

(今後の姫役者育成に期待)

 

「春のおどり」

ドキドキがムネムネの新橋演舞場の初日からパワーアップしてるはず…楽しみです。

 

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レトロな恋

宝塚歌劇団  星組『霧深きエルベのほとり』

『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』

(東京宝塚劇場)

「深き…」は初演が1965年ですと!!

私が生まれる前のお話であります。

 

どーんな古い話⁇クラシカル宝塚が私に理解できるのだろうか?と思ってみたら…

面白いのよ!

潤色演出の上田先生はなーんでこんなのいいと思ったのかな〜?と思ったけど、心にグッと来た。ささった。

やっぱり上田久美子先生は天才だわ〜と感心。

(上田先生の頭の中が見てみたい〜お茶会あるなら行きたい〜)

 

ストーリー的にちょっと「無法松の一生」思い出しちゃったんだけどね(亡き父が大好きだったので覚えている「一本刀土俵入」とか…)。

あの時代は「荒くれ者」と「深窓の令嬢(もしくは未亡人)」の心の交差するストーリーって映画とかでもあったんだろうと推測。もしくは逆とか?(華族のおぼっちゃまと貧しい踊り子…みたいな?それはよくあるか…)

歌舞伎にもなりそうなストーリーだなぁ…松竹に売り込んでみては?笑

 

ショーは「困った時の礼真琴」

これにつきます。まこっちゃんはなんでもできる。しかもそれが若手に伝わって「熱い星組」ができる。すごいなぁ。

そしてトップさんもたてられる。

ので、紅さんが立派なトップさんに見える。

定番宝塚のショーでした。ごちそうさまでした。

 

(告白)

退団発表した紅さん、宝塚見始めた頃に「わ!面白いスターさんだな!」と思って、入り待ち出待ちを地味ーにしてた時期がありました。お茶会も行ってみたり、全国ツアーも追いかけた。ここまで追いかけたスターさんは他にいなかったです。

 

どこまで行けるのかな?と、思ってたらトップスターになっちゃって、何作やるのかな?と、思ったら意外と⁇息の長いスターさんでした。

退団公演までまだあるけど、とてもチケットが取れるとは思えないので今回で私的にはサヨナラかなぁ〜などと思いながらの観劇でした。

さゆみさん、楽しい時間をありがとう。

(まだ早い)

 

 

 

 

 

ハ〜レルヤ!!

「春のおどり」OSK日本歌劇団

(東京  新橋演舞場)

 

「春のおどり」観ました。

 

まずはぐんまちゃんにご挨拶…

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ざっくりざっくり言うと

「桐生麻耶、娘役取っ替え引っ替え公演」

て、感じでしょうか…

これは男(役)のロマンですきっと。

 

和物レビューではシラミで笑わせ(初日は観客がポカーン?だったのが最終日にはわかりやすくなってました。)

桐生さんが菅原道真になって帝楊さんと対決!とか「風の盆」ではふられまくる桐生さんとか。娘役は傘をかぶって表情が見えないから表現が難しい…切なさが伝わってきました。

ウワサの八木節も熱唱。(ぐんまちゃん!聴いてくれた?)

ながれでトップスター就任ご挨拶と新入団員お披露目(皆かわいい💕)さりげなく。

特に背景とか衣装にお金かけた感じは全くないんだけど、そもそも日舞ってなに?という私のようなものにもわかりやすいレビューでした。

 

洋舞ショーはね、

こーんなOSK初めて観た!

60分瞬きする暇もなく。

ヅカっぽくないってこういうことだったんだ!というのがよ〜〜〜〜くわかりました。

ショーってこういうものなんだ!

黒のコートのダンス!ゾクゾクしちゃった。

虹架さんのラップにおののき、悪魔の華月さんの存在感、天使の城月さんのお衣装!(詳しくは見てください)娘役に囲まれて歌う愛瀬さん。

作演出振り付けの平澤先生の頭の中が見えるような…まさに男のロマン

(使ってる曲が私と同世代⁇劇団員の皆さんの親世代の曲ですわよね。ホホホ…)

 

これはね、ナマで観なければいけない。よさがわからない。

ショーが好きな人は観るべき。

キラキラフワフワもいいけど、ごまかしがきかないものをたまに観てもバチは当たりませんよ。

 

これは映像ではきっと伝わらない(でもBR予約しちゃった…ハハハ…やっちまった…)

フィナーレ、持ち物もないし桐生さんは羽背負ってません。自己発光のみ。

スッキリサッパリでよかったです。

これがOSKでい!どんなもんでい!(大阪の劇団なのに江戸ッ子風)