もう2年前になるが荻田浩一書き下ろしの「リビング」というお芝居を赤坂Red Theaterにみにいった。
コメディプレイ『リビング』
脚本・演出
荻田浩一
出演
栗山航
舞羽美海
三上俊
佐野大樹
大野幸人
香坂千晶
治田 敦
作演出 荻田浩一
赤坂Red Theater
ストーリーは…
何故か自宅リビングルームから出られなくなった主人公・青年マタロウくん(栗山航)が引きこもり気味のお父さん(治田淳)、家を出て行ったお母さん(香坂千晶)、お母さんの若い彼氏、マタロウくんのカワユイ彼女(舞羽美海)、会社の同僚、上司、仕事のクレーマー、一癖ある面々がリビングにやってきてはリビングから出られないマタロウくんを説得してるんだか文句を言ってるんだかなんなんだか…巻き起こす騒動と、マタロウくんがリビングから出られなくなった真相を巡るお話。タイトル通りコメディです。
荻田氏の描くお芝居ってちょっと怪しかったりお耽美だったりすると思うでしょ?照明暗かったり、キレイ目の音楽流れたり…
ない。コメディだもの。
リビングだけでお話が繰り広げられていて(舞台狭いから場面転換もなにも…それはどだいムリ)マタロウくんの関係者たちが入れ替わりたちかわりあーでもないこーでもないと喋りながらお話は進んでいきます。
劇中、お父さんがなーんで独り言ばっかり言ってるのかと思ったら、そーですか、そうきますか…
映画「シックスセンス」を思い出してください。(アタシあの映画好きだから真っ先に頭に浮かんだね)
お父さんはアレ、アレなのでした。
真相が明かされ、事件は解決し、マタロウくんはリビングルームから、そして家からも出られるようになります。めでたしめでたし。
エンディングは出演者全員のパレードというかあれはショーですね。
なんでここでショー???
ショーなんかやったことなさそうな役者さんまで動員(笑)
元宝塚の方も元劇団四季の方もいたので形にはなってましたが、なんか違和感が…そこが面白かったんだけど。
出演者の皆さんが役の衣装でリビングで踊るショー…
ハハハハハ(*^o^*)なんだこりゃ?
コメディらしく陽気なエンディングでした。
肩のこらないのほほんとしたお話でした(荻田作品比)。こんな感じの作品も作れるんだな〜。
作家というのは、こういうの作ってココロのバランスをとっているのだろうか。
それまでも小さいお芝居を書いては上演していたそうですが、その作品たちは未見です。この作品はたまたま出会いました。(すべて追いかける元気と金はない…「王家の紋章」みてないし…)
それまで小劇場ってあまり行ったことなかったんだけど、演者と観客が一体となった熱さがあって面白いなぁ。(←狭いとこ好き)
今思えば、このお芝居の1年数か月後にOSKのシアターエートー公演「HYDEAWAY」は上演されたわけで、あの赤坂の小劇場(180席ほど)が着想の原点だったのかも?なーんて妄想&想像してしまう。
劇場の作りが似てる(袖がない、幕がない舞台が狭い)し、一度ショー作りをしたことのある歌劇団の少人数ショー…小劇場…やれる!と思ってくださってたら(急に敬語)などと考えると私の妄想に花が咲くよね〜(←バカですみません)
今や舞台に引っ張りだこの大先生がよく作ってくれたよ…
荻田氏、大阪出身のようなので地元愛だったか?色々妄想&想像が楽しい。
自分が細々と追いかけてた演出家が自分の好きな劇団の書き下ろしてくれるって、自分的に夢のような話。
私自身、「HIDEAWAY」の辺りって、すっごく忙しかったり、すっごく凹むことがあったんだけど、神戸まで行ってよかった。
以前OSKの公演や宝塚公演の劇場内で荻田氏をお見かけした時、あの大きな背中に向かって拝んでおいてよかった。
(ホント、アホですみません)