記憶の彼方になる前に

観ては忘れる観劇記録…

天使の歌が聞こえる

天使の歌が聞こえる/OSK日本歌劇団

(東京 銀座博品館劇場)

 

二等天使イブリン・実花ももが歌うのが聞こえるのかと思いきや歌わず思いっきり踊っていました…そうきたか〜

 

久々のOSK観劇(角座も武生も行ってない…)でコーフンしているのかいつにない長文です…

相変わらず大したことは書いてません…

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色々発見のある公演でした。

「この人こんな声してるんだ〜!こんなお芝居するんだ〜」まず最初にこのオドロキとヨロコビ。

作・演出の麻咲先生ありがとう(…って毎回言ってる…)

出演者13名、主演以下最若手にまでそれぞれキチンと堂々としたセリフがあり、何役もこなし、ヒゲをつけたりおばさん役したり、わりと芝居寄りのミュージカル?と思いました。

 

麻咲先生といえば「クリスタルパッション」(2015年の方ね)でスタンダードナンバーのアンソロジー的な場面があって(あれもバーが舞台だった。桐生さんがオーナーだったような…あれ?高世さんだっけ?どっちだっけ?)今回もそんな感じなのかな?と思ってたんだけど、全編オリジナルの音楽でした。

 

OSKにおけるお芝居最終兵器:マシュー・京我りく。上手だった〜(OSK入る前は演劇の学校行ってたようだ)

彼女の存在の偉大さに改めて気づかされました。あの役できる若手劇団員は彼女をおいて他にいないだろうな〜

雅晴日はOSKでは珍しいヒゲモジャオヤジの役の他(ちょっと前まで専科の緋波さんがやってた系)、ちょいイケメンの怪しげなゴーストライター、偉大な?エンターテイナーなど何役もこなし、幕間の舞台掃除をエンターテイメントに変えていた…

意外と活躍ホントに1年目?空良玲斗、滑舌いいし、ダンスキレキレ、顔ちっちゃ!とにかく、舞台に乗ってニコッと笑えれば及第点の1年目でなかなかの芝居力でした。地元栃木からの応援も熱かったとか。これからもがんばれ〜

凛華あい、純果こころは昨年に続き博品館登場。お芝居うまくなった〜!去年のセリフ回しからは格段の違い。ショーが多いOSKなのにどうやって芝居力をつけたのか?主人公ジェームズが精神的に追い詰められていくセリフを残酷に言ってるマダムを純果が好演。クリスマスパーティーの場面ではジェームズの仲間の女性。どちらかと言うと可愛らしい系のお顔立ちなんだけど硬軟使い分けて。

凛華は敏腕マネージャーとバスローブの女(武生の「シャワーの女」に続く?) 。

仕事デキる女と突然現れたジェームズに戸惑いながらも観客の笑いに昇華する女。役の振り幅大きいと楽しい。

お二人とも確かな技術をお持ちなのがよくわかったので、これからOSK娘役を支える「強い娘役」の屋台骨として頑張って欲しい。

叶望鈴、優奈澪、。この2人も意外とお芝居デキる系でビックリ。ショーで対でキレイドコロ娘役として使われる系の人たちなのかと思ってたらさにあらず。

これから分割して使われるだろうからちゃんと顔を覚えなくては…

ナイスなヒゲのおじさま朔矢しゅう。多少高めな声ではありましたが、おじさまに見えた!

(歌える麗羅リコを見たとき並みの感動…)

ナイスなおじさまやチャラ男で活躍。ダンスシーンになるとおじさまだった人とは思えない機敏な動きを見せてくれました。

パレードははじっこだけど1列目!もうそんなに成長したのか〜

ここからは主演クラスの感想を

千咲えみがコメディ担当。なかなかボディコンシャスなお衣装を嫌味なく着こなし、マシューにいつも菩薩のような優しさで接し、ロジャー楊に捧げるミーハーファンぶり。二幕では一場面メインで危なげなくやってのけ。

今回何に感動したかって、楊琳ですよ!

主人公桐生ジェームズと「毎晩そこいらじゅうのライブハウスで歌いまくって競い合っていた」ライバルに見えた!

上級生である桐生さんと対等に見える貫禄が備わってきていたんだなぁ!

こんな日が来るとは!驚いた〜!

あんまり驚きすぎて目を見開きすぎて乾燥して目が痛かった(大げさ)。昨年より続く過密スケジュールはすべて糧になっていたんですね。

二幕後半の桐生ジェームズ対楊ロジャーのダンスバトル!あれだけ激しく踊って魅せられる2人、瞬き厳禁!

絶叫にも近い「ここはオレの居場所だ〜〜!!!!」が悪い人なんだけどそれでも憎めなさを感じました。

存在が当たり前過ぎて書くの忘れてた城月れい、桐生ジェームズの糟糠の妻を丁寧に熱演。

ジェームズと抱き合ってると、桐生さんがホントの男に見えるのは城月れいがより女っぽいから。これぞ娘役芸…ロジャーの亡くなった元カノ役もあり、主演2人に愛される…なんて美味しい役なんでしょうか〜それをまたサラッとやってくれて。物語を大きく動かす役どころが多い彼女にしては抑えた感じがまた光っちゃうんだな。

桐生ジェームズは作らなくても声が低くて背が高くて、歌劇の男役の欲しいものをみんな持ってる。まさに唯一無二。

だからといってやたらと男らしいわけではなく、自然体。ホントの男性だって白シャツの着こなし難しいじゃない?

それなのにまるで生まれながらの男性よりカッコよく着こなすんだよね。

などと感心しつつ

一躍スターダムにのし上がり、人気故に次第に追い詰められ、仲間だと思っていたロジャーに裏切られ…というストーリーがテンポ良く描かれていました。

ステージに幕も緞帳もないから第一幕のラストはライティングを上手く使ってあれはまるでイリュージョン。

短いながらもショーもつけてくれて、しかもそれが話の続きになってるのはさすがレビュー劇団。

カジュアルお衣装から燕尾、ドレスになるとOSKの正装!って感じがしました。

 

初日は空席があったけど、満員御礼の回もあったようでうれしい。

5月の新橋演舞場も楽しみ〜

また東京公演に来て〜